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■卓上を操る魔術の冴え

 南1局。表の主役はハゲタカ氏でした。ハゲタカ氏は見事な手作りによって親マンを アガったのです。4巡目、手牌はこうなっていました。

 ドラ
 ここからハゲタカ氏は切り。そして11巡目、チャンタのテンパイに仕上げたので す。1巡してからリーチをかけます。
 このとき裏の主役が姿を現しました。いわずと知れた斉藤プロです。斉藤プロはこん なバラバラの手牌からリーチ宣言牌のをチーしたのです。これはいわゆる一発消し なのでしょうか?(牌図1)


牌図1

 いちおうホンイツを狙っているとはいえ、ここからション牌のや同じくション牌のドラ を切ってまで、アガリに行こうとは思ってないでしょう。それではどうするのかと 思って見ていると、ここから斉藤プロはのトイツを落とします。やはりアガリに向 かう気などないのです。

 次巡、下家のチェリオ氏に流れたのは当たり牌の。チーしなければ斉藤プロがつ かんでいた牌です。そして13巡目、いっそうバラバラになった手牌から、完全安全牌が あるにもかかわらず、斉藤プロはを切り出します。アガる気もないのにハゲタカ氏 に通っていない牌を切ったのです。このをチェリオ氏がポンしてテンパイ、先ほどのを切り出しました。ハゲタカ氏への振り込みです。

 どうでしょう。まさに他の三人を自在に操った一局です。もちろん動物的な勘にすぎ ないのでしょうが、それにしても驚異的な結末です。この操作によってハゲタカ氏はヤマに3枚生きていたをツモることができず、またチェリオ氏は親マンを打ち込んでラスに転落しました。もちろん斉藤プロは痛くも痒くもありません。ここらへんが、オカルト系プロが冴えたときの強さなのでしょう。


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