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■南2局1本場 ミニマリズム麻雀

 横山さんの手牌に面白い何切るがありました。5巡目、この手牌から何を切るのがいいでしょう?

 ドラ

 このとき横山さんが切ったのは。今回の対局でぼくが唯一納得いかなかった打牌でした。

横山 「時間が迫っててを切っちゃいましたけど、違いました?」
ハカセ「切りだと思いますけど」
横山 「そーですか?」
ハカセ「を切るとアタマがなくなっちゃうでしょう。を切っとけば、をアタマにして待ちのメンツが確定しますから、あとはソーズかマンズで1メンツ作ればいいことになる、と」
横山 「なるほど。たしかに切りがいいかも」

 しかし結果としては横山さんが選んだ切りが正解だったのです。このあとと引いて10巡目にテンパイ。ぼくの考えるを切っていたらテンパイしていません。

 ドラ

 さて、ここで横山さんはダマテンに構えました。どうでしょう。微差でトップを争っている南2局、この手牌でリーチするかどうか。この判断にはその人の雀風が表れると思います。

牌図4

 この局面、ぼくだったらリーチすることが多いのです。しかしどちらが得かといったら、リーチしない方が得ではないかと思います。ここでの判断は損得というより性格の違いであり、スタイルの違いでしょう。単純にいってしまうなら派手好きか地味好きかということですね。

 文学の世界にミニマリズムという潮流があります。日常生活の細々したことを書いてリアリティを積み重ねていくスタイルで、代表的なのは村上春樹でしょう。音楽や絵画、果てはファッションにもミニマリズムと呼ばれる潮流はありますが、いずれにしろミニマム(最小)+イズムですから最小主義という意味です。

 こまかい節約手筋を積み重ねていく横山さんの麻雀を見て、ぼくはミニマリズム麻雀だなあと思っていたのでした。以前、同じプロ協会の須田君の麻雀を激辛麻雀と呼んだこともありました。似ているのですが、違いは横山さんはチャンス手でリーチするのに、須田君は極力リーチを避けることですね。

ハカセ「いつもリーチしないの?」
横山 「することもありますよ。今日はカタク打ってます」

 とのことでしたが、ホントはいつでもカタイ麻雀を打ってるのではないでしょうか。こうして横山さんはみどりんごさんから1000点をアガりました。


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