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■遂に訪れたプチウェーブ

 次局東3局0本場は流局し、東3局1本場、初音さんの手牌に面白い「何を切る!?」がありました。

 ツモ ドラ

●牌図8

 678と789の三色が見えています。ここでどちらかを選択しなければなりません。三色にならずとも、ピンフドラ1のリーチになってもそれはそれでいいと思うのですが、そのためにはのどれを切るべきなのでしょう。場はマンズが安くなっています。

 ここで初音さんが切ったのは。678の三色&マンズのくっつきを選んだわけです。ぼくだったら、ここはを切りたいと思います(マンズとソーズの優劣は微妙で、かならずしもマンズ残しが優位とは思いません、好き好きでしょう)。

 ぼくが678三色より789三色を選びたい理由は、を引いたときに端のほうが出やすいこと、そしてを引いてカンチャン待ちになっても三色ドラ1という立派な手牌になるからです。ですが結果はというと、初音さんが正解でした。とツモ切りしたあとを引いてリーチ。678三色目のあるテンパイになったのです。

 といっても、この局にアガったのは、初音さんでもなければ、一番乗りリーチのトリノスさんでもありませんでした。親のちちびんたさんが2軒リーチの最中にダマテンのまま2600オールをツモ。1回戦のトップを守るため、かなり慎重に打っています。ちちびんたさんはこのアガリで一気に優勝へと近づきました。

 東4局、初音さんは親番を迎えます。こんな手牌になったのは6巡目のこと。

 ドラ

 マンズでアタマができたらカン待ちで即リー。ピンズでアタマができたら待ちで即リー。を引いたらを切って仮テン。じゃあ、ドラのを引いたらどうするんだろう? そう思ってこの手牌を見ていました。すると8巡目、を引いたのです。ここで初音さんは悩むことなく、スパッと切りでリーチをかけたのでした。

 点数のない親としては、まさにこの一手でしょう。のような形を変化形のリャンメンといいます。これは普通のリャンメンより25%不利な待ちです(普通のリャンメンは8枚待ちなのに、これは6枚待ちだから)。その反面でメリットもあって、それは待ちを自由に変えられることですね。この手牌なら、本来は、あるいは、またはという外側の待ちにしたいのです。

 ですが、それを待っているのではヌルすぎる。そう思って初音さんは即リーにいったんだと思います。早いテンパイという資産を、点数を持っている人は様子見に使えますが、持ち点のない状態だと、アガリ点のアップと連荘確保に使うしかありません。多少アガりにくい待ちでもいい待ちに組み替えようとする余裕はないのです。

 ところが結果として、このは決して悪くない待ちで、あまり他家には使われていませんでした。こちらもリーチに来たトリノスさんからアガって5800点。続く1本場でも東風の虎さんから5800点をアガって、初音さんは点数を回復させます。


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