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そしてオーラス。ほとんど出番のなかったCOO氏が2本場までレンチャンしたところで、バーサス氏がアガって終了。バーサス氏は2連勝というパーフェクトな結果を残したのでした。2回戦は、早く場を進めるための打ち方が、結果としてトップまで呼び込んだのだと思います。

■重要なのは知ってるメンツ

 麻雀で勝敗を分かつものは何なのか? 今回の対戦を見ると考えさせられてしまいます。今回は戦略によって勝敗が決まったケースだといえるでしょう。勝敗を分けるのは、中級までは「何切る的な技術」であることが多く、中級以上になると「戦略」であることが多いように思えます。

 それでは、戦略を組み立てる「能力」によって、今回の決着はついたのでしょうか? じつは、そういうものでもないと思うのです。それでは何が違ったのでしょう? わたしは「ノリ」が違ったのだと思います。これは音楽にノリノリになるときのノリで、いいかえるなら「気合い」です。といっても、ノリや気合いは込めようと思って込められるものではありません。麻雀に没入できる状態に自分を持っていくことなのです。

 これはスポーツの試合と同じです。つまり緊張して、普段の力を出せなくなってしまうようでは勝てませんし、といって集中しないで勝てるものでもありません。必要となるのはリラックスした集中であり、それが訪れたときには、いちいち頭で考えなくとも身体が動く状態になっているものなのです。

 麻雀も同様で、没入している状態に入ると、一打ごとに戦略の血が通うのです。没入していない状態だと、戦略的な判断では迷いが生じて、一貫した姿勢が続けられません。

 リアルな麻雀では、ある程度の重量がある牌を扱って、たがいに息づかいまで感じながら打つために、スポーツに近くなります。しかしネット麻雀でも同じ現象はあるのです。リラックスして集中しているときとそうでないときには、やはり結果に差が出ているはずです。

 それでは、どうすれば麻雀に没入できるのでしょう。一番簡単な方法は、ホームグラウンド意識のある環境で麻雀を打つことです。これはシステムやルールに対する慣れもありますし、またそれ以上に、知っているメンツと打つことが重要です。

 麻雀では、メンツと交流がある場合にはライバル心めいたものが生じます。このライバル心こそ、麻雀に没入するために一番簡単な薬といえるでしょう。また、緊張をほぐすことにも有効です。リアル麻雀と同じようにネット麻雀でも、ホームグラウンド意識のあるなしによって、集中しやすさに格段の差が生まじす。

 そう考えると、バビィがあっさりと敗れたことも納得できます。バビィにとって雀賢荘は不慣れな環境で、対戦相手にもなじみがありません。そんな状態で闘争心を燃やすのは難しいことなのです。ゲストプロはスタートラインから、メンタル面で不利な状態に置かれているのですね。

 対局後にバビィが面白いことをいってました。雀賢荘のシステムを「よくできてるなー」とほめた上で、「これ、ツキモードとか設定されてるの?」と聞いてきたのです。ネット麻雀にも、ツキの流れを感じたことが意外だったのですね。
 そして、「次回も出してよ、オーケー? よし、決まりだぞ!」と、次回も登場することを宣言していたのでした。



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