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■論争を引き起こした淡白な一打
 崎見プロが親となった東2局、勝負所が訪れました。まず北家のハリー氏がとポンして、ホンロウトウの気配を見せています。そして10巡目には南家の唯我独損氏がリーチをかけてきます。そんな二人に挟まれて、崎見プロの手牌は13巡目にこうなっていました。
 ドラ
 ここで崎見プロはション牌のドラを切り出しました。これが我独損氏にハネマンの振り込みとなったのです。崎見プロは、テンパイだと勘違いしたとのことでしたが、この一打はどうなのでしょう。

 もし前巡にでなくを切っており、ここでテンパイしていたとしても、切りはリスクが大きく、リターンの小さな一打でしょう。自分のテンパイはカンのタンヤオ・イーペーコー。アガりやすいわけでもなければ、十分に高いわけでもありません。勝負する相手がリーチ者だけならいいのですが、チャンタ系で鳴いていたハリー氏にもは超危険牌です。本命ともいえる牌を勝負するのは、その牌が通ったら自分のアガリは固いと思えるとき、いや、それでも、本命だったら勝負しない方が得だと思います。

 対局後、雀賢荘の掲示板に、こんな書き込みがなされました。

「崎見プロって本当にプロなんですかね。唯我さんのシャンポンリーチにドラの白を放チャンしちゃうなんて、見てて呆れちゃったですね。こんなの雀賢荘の10級クラスだって打たないですよね。(後略)」

 この書き込みを発端として、崎見プロの麻雀について議論が巻き起こりました。一方はプロの資格はないといい、もう一方は慣れない場だったことに対する同情論でした。ただし大勢としては、崎見プロの麻雀が不十分だったとしても、だからといってプロ全体を否定できるものではないという意見でした。この書き込みが半匿名だったことや、口調が挑発的だったことに対して、反発もあったようです。

 しかし、こんなことを書かれてしまうほど、ショッキングな振り込みだったことは確かでしょう。あまりにも淡白な振りこみでした。このときは東2局。親番だとしても、まだ乾坤一擲の勝負をする局面ではなかったと思います。この振り込みには、若手プロの打つ麻雀の欠点が出ていると思います。自分がテンパイするまではリーチにいっさい勝負せず、テンパイしたらかなりの危険牌でも切って勝負に行く――そんなパターンを機械的に守っている若手プロが多いのです。

牌図1

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