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■お得意のホンイツ空しく |
東3局、バビィは本来の得意技、ホンイツに走ります。 こんな配牌から強引にソーズのホンイツにしてしまうのですから、見事というべきか、困ったものというべきか。 |
ドラ |
そして12巡目、まさに力づくでこんなテンパイを入れます。 |
このとき、バビィの捨牌はマンズとピンズのバラ切りで、ソーズはポツンとが一枚のみ。 そのとき、バーサス氏がリーチをかけてきます。 その同巡に、こちらもテンパイした親の唯我独損氏がビシッと切り。 バビィは自分のマンガンテンパイをものともしないその打牌に、「なっ…」と声を出し、ムッとしています。 そして次巡、ツモアガリした唯我独損氏の手牌を見て、バビィのショックは倍増しました。 |
ツモ |
唯我独損氏はソーズがとあるところからを切らずに、を切ってシャンポン待ちにしたわけです。 おそらく、リーチしていたバーサス氏がを切っていたため、待ちの形よりも安全性を重視したのでしょう。 いうまでもなく普通ならを切るわけですし、そうすればバビィへの振り込みとなっていたわけです。 ここで切られた暴牌(?)を通してしまう自分も情けないし、そんな牌を切ってまで悪形でアガリ切ってしまう唯我独損氏に、驚くやら、あきれるやら……。 それが他家のリーチのせいというのなら、そんな展開になってしまう自分のツキが許せない。そんな思いがバビィの脳裏を駆け巡りました。 これは俺の知っている麻雀とは違う、そんな気もするし、このツキにからかわれている味はまさに麻雀そのものだ、そんな気もします。 そんなやり場のない思いを、バビィはまたしても「デジタルが足りなかった」という結論に結びつけたのでしょうか。 東4局、親を迎えたバビィの手牌は5巡目にこうなっていました。 |
ドラ |
マンズのはいいとして、ピンズのの部分に不満が残ります。 できたらにくっつけて、リャンメンを作りたいところです。 すると8巡目、ここにを引いてきました。 単独のはを引いた場合しかリャンメンになりませんが、なら引きでリャンメンになります。 そこで当然の切り。 もちろんダイレクトにを引けば一足飛びにテンパイですから、の形を崩すわけにもいきません。 10巡目となって、そこに今度はを引いたのです。 これだと形としては劣りますが、ドラのを使える可能性が残ります。 そこでバビィはを切りました。 それにしても1シャンテンは早かったのに、補助牌を入れ替えているだけで手牌はまったく進んでいません。 そうしているうちに12巡目、ロックV氏と唯我独損氏が同時にリーチをかけてきます。 その直後にバビィがツモったのは。 テンパイの同時性とでもいうやつなのでしょうか、この切迫した状況になったとたんにベストの牌が来たのでした。 それならこちらは親ですから、当然のリーチです。 しかしバビィのリーチ宣言牌であるに、無情にも「ロン」がかかります。 しかも、その相手が一番打ち込んではいけないロックV氏です。 点数は8000点。 手牌を見ると、ドラのがアンコじゃないですか。 この振り込みでバビィは3着に後退し、入れ代わってロックV氏がトップに踊り出ました。 2回戦は自分のトップとロックV氏の3着以下というダブル条件ですから、このときバビィの敗北が決定したといってもいいでしょう。 そのあと、バビィはいかにも彼らしいホンイツのテンパイを二回入れ、そのうち一回はアガります。 しかし、ときすでに遅しでした。 2回戦のトップは唯我独損氏。 そして総合優勝も、ロックV氏をかわして唯我独損氏となりました。 ロックV氏が逆転されたことは意外でしたが、様々な幸運が唯我独損氏を後押ししたようです。 1回戦がダンラスだったバーサス氏は、2回戦に巨大なトップを取らないと追っつかないために強引な麻雀を打っており、当たり牌も2回見送っています。 それが両方とも唯我独損氏の切った牌だったのです。 逆襲を狙って作戦まで立ててきたバビィは、こうしてまたも敗退したのでした。 勝ってこそプロ、結果こそすべて、そう考えるなら言い訳しようのない現実です。 やはりバビィ自身もそう思っているのでしょう、「何もかもわたしが悪いんです」と殊勝な言葉を残して、会場を立ち去ったのでした。 今回、バビィの敗因はどこにあったのか、もうひとつよくわかりません。 2回戦の東2局1本場など、本来ならアガっていたところを明らかにミスしているのですが、それが全体的な敗因のようにも思いにくいのです。 印象としては、1回戦に勝負手を何度か空振りしたことが敗北に直結している気がします。 しかし今回、バビィはいい麻雀を打ったと思います。 あとからログを見直してあらためてそう思いました。職業でないとはいえ、こういった麻雀を見せるなら、その人はプロと呼びうるのではないでしょうか。 今回の結果にこりることなく、また登場してほしいものですよね。今度はデジタル以外の作戦があるといいかもしれません。 そうそう、この日、バビィからちょっとした抗議を受けました。 「前回さあ、オレが2ちゃんねるで対立するプロを攻撃してるって書いたろう。あれさあ、かるーくでいいから撤回しといてよ。オレはホントそんなことしてないんだからさあ」 なるほど。たしかに事実と違っていたかもしれません。おわびして訂正します。 確かにバビィは麻雀プロ業界のゴシップが大好きで、2ちゃんねるの業界話も愛読しています。 しかし直接の書き込みはしないようなのです。 バビィがするのは面とむかった会話による扇動であり、他人をたきつけて、また別の人に喧嘩を売らせるのが一番の得意技なのです。 |
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