3/15 

■東2局 節約を重ねて1600点ゲット!

 この局も横山さんらしい局となりました。

 ドラ

 こんなイマイチの配牌に、1巡目ツモ。2巡目ツモ。3巡目ツモ切り。4巡目ツモ。ちっともメンツは増えません。4巡目にをツモった時点で手牌はこうなっていました。

 ドラ

  ここから切り。これは横山さんにしては珍しい打牌だとか。

横山「ここではバランスを考えてを切りましたけど、ふだんはみたいなドラの内側の牌ってまず切らないんですよ。このあとドラを引いたらどうしようっていつも考えてるんです」

  5巡目はツモ切り。6巡目ツモ。7巡目ツモ

 こうなったらチートイツしかないでしょう。そこで場に2枚切れているを切り出します。逆にいうと、ここまでを切らなかったということはチートイツには決めていなかったわけで、そんな決め打ちしない姿勢がチートイツには見えない捨牌を作っています。そして8巡目ツモ。チートイツでテンパイしました。

 ここではとりあえず待ちにして、10巡目にション牌のを引き、これが最終的な待ち牌と決めたのでした(牌図1)。

牌図1

横山「っていい待ちですよねえ。ヤマにありそうじゃないですか」

 場にはが4枚出ているのには1枚も出ていません。こんなときはヤマに丸々残っているか、誰かがトイツやアンコにしているもの。横山さんはヤマに残っていると考えたようでした。そして12巡目、パチスロ王氏がツモ切りしたで「ロン!」。

横山「ふだんならリーチをかけることもありますけど、雀賢荘の人はカタイからダマにしました」

 なぜか横山さんには雀賢荘ユーザーはカタイという印象があるようでした。それは雀賢荘ユーザーの特徴というよりも、たまたま横山さんの打った相手がカタかったのでしょう。あるいは美少女プロを相手にして緊張していたのかもしれません。

 こうしてアガったのがチートイツのみ。一打ずつ節約を重ね、きっちりメンゼンで仕上げて、待ち牌まで選んだ結果が1600点の収入です。がんばった割に安い気もしますが、そんなことは考えないのが横山さんです。それがマンガンでも、あるいは1000点でも、いずれにしろ全力を尽くすのでしょう。点数は結果にすぎない、そんな考え方のようでした。1円でも1000円でも節約するところはキッチリ節約するのですね。

 ここまで読んで、あまりにこまかい話ばかりで閉口してしまう方もいるかもしれません。からを切るのとを切るのと、それがいったいなんぼの差じゃゴラァ!ということですよね。スーパーで1個18円の卵と19円の卵と、どちらを選ぶかといったような話ですから、そのご不満ももっともだと思います。

 ですが横山さんの麻雀はまさにこういったもので、1円の差を考える麻雀なのだと思います。大学は経済学部でマーケティングのゼミに入っていたことも関係しているかもしれませんし、また現在は勉強中の身だというので、なおさらこまかい手順に意識的なのかもしれません。まだ勉強中なのでコツコツとやっている。この姿勢にはプロ意識が感じられます。絵画でいうならいまはデッサンの時期であり、抽象画を描くのはこれからということなのでしょう。

←BACK 101112131415 NEXT→

Copyright(C) 2004 IS-Japan Inc. All Rights Reserved